努力する子の育て方

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算数先取り学習 うちの小1と9歳の壁

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先取りでやっているケイ(小1)の算数、先日やっと小3の単元が全部終わりました。夏休み終わりくらいから少しずつやってきて、正直な感想としては「ついに終わった」という感じです。小2の内容まではほぼ何の躓きもなく終わったのですが、小3の内容は中々ハードで、いわゆる「9歳の壁」の存在も存分に体感することができました。

小2の楽勝ムードとは大違いの小3算数

ケイは幼稚園時代に九九まで終わっていたので、2年生の算数までは幼稚園時代に作った貯金で進められました。しかし、3年生の算数になると、分数や小数といった新しい概念がたくさん出てきて、ケイにももう貯金分はありません。従って、ここからがある意味本当の先取り学習でした。

まずは暗算へのこだわりで躓く

3年生の内容で一番最初につまずいたのが3桁、4桁の数字の足し算引き算でした。筆算は理解しているのに、なぜ間違えるのか。その理由は、ケイが暗算で正解を出すことにこだわって、とにかく筆算をやりたがらないという部分にありました。

ケイのこだわりの原因は、ケイの算数がこれまでほぼ暗算で進んできたからだと思います。幼稚園時代から紙と鉛筆を使わずに2桁、3桁の足し算引き算をしていました。これは私も悪いんですけど、「大きな数が暗算できるのはすごいねー」とか言ってしまっていたんですよね。そして、2年生の内容でも、2桁の足し算引き算の問題は大部分筆算せずに、暗算でやってきてしまっていました。

それなので、数字が4桁になって暗算が簡単で無くなった時に、問題が起こっていました。「暗算できずに筆算したら負け」みたいな考え方に、ケイは陥っていたんですね。だから筆算すればいいのに、しないで間違えるというのをしばらく繰り返していました。

「筆算がきちんとできるようになれば、そのうち頭の中でできるようになるよ」と言い聞かせて、なんとか筆算をする習慣が身につきました。しかし、やっぱり暗算へのこだわりは残っているようで、暗算で解いた問題は「ほら、筆算書かずにできた」と自慢してきます。まあ、筆算しないとダメかどうかの判断力がついてきているならば、暗算へのこだわりは悪い事でもありません。暗算へのこだわりは、今後計算法の工夫につながっていくと思うので。

重さや長さの感覚が全然わからなくて焦る

ケイが結構躓いていたのが、重さや長さの単位の理解でした。教えるとすぐ覚えるのですが、たまに再登場すると忘れてしまっていたりして、今でもちょっと不安な感じがしています。鉛筆12本は17kg?それとも17g?みたいな問題も最初全然わからなくてびっくりしました。

これは、単純に生活の中での経験がまだ足りていないせいだと思います。こういう単位をそもそも習っていない小学1年生の学校生活では、こうした単位が登場するのはおそらく身体測定などのごく限られた時だけでしょうし、実生活では意識しないと単位を使う機会が全くありません。

自分が海外生活をした時にも、「1フィート」と言われてその長さに全く実感がわかず、困った記憶があります。概念的には理解できても、実際の単位の感覚は使わないと身につかないので、自分の体重が20kgくらい、学校までの距離が1kmくらい、といったように、身近なもので単位の感覚を養えば、次第に解決するかなと思っています。

 

 

数と位の概念で躓く

これまでは3桁までの整数しか扱ってこなかったものが、3年生になると4桁以上の大きな数や、小数、分数が出てきて、数の概念が大きく拡張されます。3年生の算数先取りでケイが一番苦労していたのは、この数の概念の理解でした。例えば、千足す千だと問題ないのに、一千万足す一千万だと途端に混乱してしまうのが、最初は見ていて不思議でした。

ちょっと調べてみると、数の概念というのは子供にとって、かなり抽象的なものだということです。たしかに、一千万と言われても、具体的に物でイメージするのは難しいなと思います。今までは物に置き換えてイメージできていたものが、桁が増えると途端にできなくなるから、十分に理解できていないうちは混乱するんですね。

小数も分数も、整数に比べて抽象度の高い概念です。こうした概念の抽象化が小3で始まるから、9歳の壁なんだなと、それにぶちあたるケイの様子を見ながら実感しました。大きな数も、小数も分数も、もちろん最初は具体的なイメージ(4等分したケーキの1切れが1/4、とか)を通じて理解に入っていくんですが、具体的なイメージを離れてそれをどこまで抽象化できるかは、最終的に本人の思考能力任せな部分があります。だから、こういう数の概念を抽象化できる思考力が追い付かないと、小3以降の算数がつまづきやすくなる、と。

数の理解は抽象的な概念だからこそ、言葉で教えるのに限界があるんですよね・・・。しかし、これがしっかり理解できないと今後の算数の勉強は全く進まないので、何か良い方法を・・・と模索した結果、とあるYoutuberの人の算数授業動画にたどり着きました。10分くらいでさくっと見られて、何よりケイが「もっと見たい!」と相当食いついていたので、親の下手な説明よりも良いかなと。

動画を繰り返し見るうちに本人が何かをつかみ、最初は苦労していた大きな数や小数の問題も、次第に間違わなくなっていきました。今では、何か難しい単元が出てきたら、とりあえずYoutuberの人の授業で基本を教えてもらう、という流れが確立しています。親が上手に教えられなくても家庭学習が困らないなんて、本当に良い時代です。

図形は割とサクサク進んだ

9歳の壁に結構やられていた中で意外だったのは、図形の問題は対照的に苦労しなかったことです。円や球の問題も苦労なく理解していましたし、コンパスを使った作図の問題は、かなり複雑なものも難なく正解していて、図形関係は結構センスを感じました。

数の概念と同じで、図形問題の解き方、考え方も言葉で教えるのが非常に難しいので、直感的に図形の問題を解いてくれる様子は頼もしい限りでした。

素直にケイを尊敬した日

小2の算数ではケアレスミス以外での誤答はほとんどなかったのに対し、小3の算数では「概念をまだ正しく理解できていない」という状況が出てきました。小2の内容を進めていた時と同じようにキリのいいところまでやろうとすると、1回の学習に1時間半くらいかかってしまったりして、結構ケイも大変そうでした。

「算数やりたくない」と言ったことは一度もなくても、誘っても明らかに気乗りがしないという日も何度かあったりして・・・。なので、小3の算数が終わっても、小4のさらに難しい内容に取り組んでいくのは、本人が嫌がるかもしれないと感じていました。実際それに備えて、3年算数の復習ドリルをこっそり仕入れていたのです。

ところが・・・小3算数の内容が全部終わった日、問題を解き終えたケイが開口一番放ったセリフは「よし、これで小4の算数ができる!」でした。思わず「あ、小4もやるの?」と私が口走ると、「もちろんだよ!」という元気の良い返事。驚きと、感動と、畏敬の念が入り混じった感情が湧き上がりました。ケイの算数に対する知的好奇心、学習意欲が、これほどまでに純粋で、強いものだとは。

すんなりとはいかず苦労したとしても、ケイは算数の新しい知識や概念を身につけることを、間違いなく純粋に楽しんでいる。それがハッキリわかったことが、この小3算数の先取りで一番の収穫でした。十分な学習時間の確保が目的で始めた先取り学習でしたが、ケイの純粋で情熱的な学習意欲を目の当たりにして、この子がその意欲でどこまで進んでいくのか、今はただただ楽しみです。