努力する子の育て方

努力に勝る才能無し!努力の才能を育てる教育法、ボルダリングによる育児ハック実践、我が家の超個性的なギフテッド児の生態など

うちの子問題児?学校生活大丈夫?心配な親が今知っておくべきこと

 

 

 

つい先日明けたばかりだったはずの2023年も、信じられないことにもう3月ということで・・・新年度のスタートまで一か月を切りましたね。

我が家の兄弟ケイとちーちゃんも、この春から新六年生と新一年生。新しい環境へと飛び込んでいく子供達ももちろん大変だけれど、それを見守る親にとっても、新年度は色々と心配が募る時期。

うちの長男・ケイみたいなぶっ飛びタイプの子のいるご家庭は言うに及ばず、別にそうではないご家庭も、新年度ごとに子供達が新しい学校、先生、そしてクラスメイトと馴染めるか心配するのは、多分みんな同じだと思います。

そんな子供の新年度に気を揉む全ての保護者のみなさんにお勧めしたいのが、文部科学省が公立の学校とその教師に今求めている、教育指導と学校運営の最新指針、方向性をしっかりと把握しておくこと。

減らないどころか増え続ける不登校児に、もはや世間の常識と化した教師のブラック労働環境・・・教育現場に山積する問題解決のために、文部科学省も近年、ようやくその重い腰を上げて教育政策の見直しを進めてきています。

その結果として、私達が子供の頃とは大きく仕組みが変わり始めた今の学校。

公立学校の運営に関する基本理念や指導の基本的な考え方というのも、昨今随分と変化の様相を見せつつあります。

そんな教育リフォーム真っ只中の現在、万が一の我が子の学校トラブルの際に親が素早く効果的な対応を取れるかには、「今学校のシステムがどう変わっていこうとしているか」という見通しへの理解が重要と言えます。

そこで今回は、最新の学校教員研修資料からこれからの公立小中学校運営に対する国の考え方を読み取って、子供の学校での不適応やトラブルに備えて親が今後持っておくべき心構えを確認していきましょう。

学校運営の形を変える「特異な才能ある児童生徒に対する指導・支援」の方針

さて、子供の学校生活に多かれ少なかれ不安を抱える保護者の皆様に是非視聴をお勧めしたいのは、独立行政法人 教職員支援機構が作製した、「特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援」に関する2本の教師向け研修動画です。

特異な才能なんて、うちの子には全く関係のない内容?いえいえ、それは大きな勘違い。なぜってこの研修動画で説明されているのは、一部の変わった子供をどう扱うかという話ではなく、子供達の通う全国の学校をこれからどう変えていくかという話なのだから。

では、最近アップロードされたばかりのこの教員研修動画から、文科省が今後目指す公立学校運営の基本理念と、それを担う教師に求めていることを読み取っていきましょう。

・特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援Ⅰ:校内研修シリーズ No122  

www.youtube.com

(スライド資料PDF)https://www.nits.go.jp/materials/intramural/files/122_001.pdf

 

・特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援Ⅱ:校内研修シリーズ No123

www.youtube.com

(スライド資料PDF)https://www.nits.go.jp/materials/intramural/files/123_001.pdf

 

これからの教師に国が求めるのは、多様な個性を理解し柔軟に寄り添う工夫

動画を見ると、文部科学省がこの動画を使った研修の中で先生方に対応を求めているのは、大きく以下の3点であると読み取れます。

 

  1. 子供達が示すかもしれない「才能行動」や「才能特性」についての知識理解

  2. 目の前の生徒達について、誰が才能児かラベルを付けるのではなく、誰がいつ、どんな才能行動、才能特性を示すか知り、どんな指導や支援が必要かを考える実践

  3. 多様な児童を誰一人取り残さないという観点に基づく、「特異な才能児」を特定せずとも個別最適かつ協働的な学びの機会を公正に確保できる形での学校、クラス運営

(1)と(2)は主にNo. 122の研修動画の中で、才能行動や才能特性とみられる行動の例や、発達障害特性との類似点、誤認や併存の可能性などにも触れながら説明されていました。

そして(3)については主にNo. 123の動画で、一部学校での具体的な実践例も取り上げながらの説明がなされていました。(この「一部学校」は山形県の天童市立天童中部小学校の取り組みと思われますので、気になる方は以下の記事もどうぞ)


独立行政法人教職員支援機構は、公立学校の教員に必要な資質・能力の向上のための研修や助言、研究開発を主なミッションとする文部科学省管轄の機関です。

従って、この研修動画の内容は、国の考える今後の公立学校運営方針に従い、これからの先生、学校に期待される仕事への取り組み方を示したものであるということになります。

学校の変化と共に親の心構えも変わっていく必要性

国の方針に沿って学校が変わっていくとしたら、そこに子供を送り出す我々親の心構えはどう変えていくのが良さそうでしょうか?

まず私達親が先生と今後一緒に捨てていく必要があるのは、「学校で一人だけ特別扱いはできない」という昔からの考え方です。

だってこれからの学校では、生徒一人一人の特性を鑑みた、個別最適な学びを保証する運営が先生に求められているのだから。これからの学校では、ある意味全員が特別扱いの対象です。

もう生徒が学校や先生のやり方に無理して合わせる必要もなくなります。だって学校や先生が求められているのは、「多様な児童を誰一人取り残さないという観点」と「個別最適」、つまり生徒が無理に合わせる必要がないよう、予め工夫された学校・クラス運営なのだから。

二番目の動画で説明されていた通り、先生方や学校は、既存のリソースをフレキシブルに活用しながら、生徒がその特性に合った形で十分な教育をうけられるように、ベストな居場所を作っていく創意工夫が求められているのです。

そう、国が公立学校とその先生方に今求めているのは、私達親が「子供が学校に馴染めなかったらどうしよう」と心配する必要が無くなるような学校運営なのです。

文科省が、遅まきながらも保護者の心配にもっと寄り添う姿勢を見せ始めた。そう考えると、新学期子供を送り出す時の不安が、少し軽くなる気がしますよね。

それでも不適応や問題行動のトラブルが出た時どうする?

しかし、だからと言って全ての子供達が学校に必ずすんなりと馴染める保証はありません。物事に絶対はないし、人間の行いに完璧というものは存在しないので、まあトラブルを完全に防止するのは無理というもの。

生徒一人一人の多様性に寄り添える学校運営を国が目指し始めた今、それでも我が子の「もしも」の時に親が取るべき賢い立ち振る舞いってどんなものでしょうか?

たぶんこれまで以上に大切になるのは、トラブル解決のための、学校、先生、親の協働です。

子供のことを一番理解しているのは殆どの場合親なので・・・国の方針通り、先生が生徒の問題行動や不適応の原因を行動特性の観点から理解し、必要な支援を考えていこうとする時、親からの情報は不可欠とも言える、大きな助けになるはずです。

従って、先生や学校が我が子をより良く理解できるよう、そして我が子に合う環境を速やかに整えてもらえるように、親の方からも積極的に情報とアイディアを提供していくことが、問題解決に向けてこれまで以上に効果的な方法になってくると考えられます。

まあ、「そんなの今までもやってきている」という人も多いと思いますけど、これからは生徒個人のために情報を集めて環境整備を考える取り組みが先生や学校に求められるということならば、親としてももっと積極的に、遠慮なくやっていけるというものですよね。

なにせこれからは、そういう個人の特性に合わせた取り組みが上手くできない先生方は、学校運営のための資質、指導能力を欠いていると判断されることになる可能性が高いので・・・。

その辺りの先生と学校を取り巻く最新状況を踏まえて、こちらから予め先生の方に「何か気になることがあったらいつでも情報交換しましょう」と伝えておくのも、良い布石になりそうです。

まあ親の心配は中々尽きないのだけれど・・・

さて、最新の教員研修動画から、理屈の上ではどうやらこれから、「子供が学校に馴染めなかったらどうしよう」という心配を、親がそこまでする必要のない世の中になっていくらしい、ということを読み取ってきました。

とはいえ、この教員向け研修動画はつい1週間ほど前に公開されたばかり。オンライン授業への対応度に地域、学校間で未だに大きな差がある現状からして、この研修動画で示されている新しい学校運営指針への対応度というのも、各地域、各学校でやっぱり差が出てきそうです。

仮にうちの子に来年度早々問題が持ち上がったら、もしかして上の研修動画を先生方に見てもらうところから始めなければならなかったり?なんてことも心配になるし、実際そんな状況になってしまうところもあるかもしれません。
 
なので、まあ親の心配というのはそんなにすぐ簡単に消えるわけではないのだけれど・・・それでも、学校や先生が今どう変わっていくよう求められているかを知っていれば、親としても落ち着いて前向きに対応策を協議していけるというもの。

これからは、何かあったら子供と親、先生、学校が一緒に知恵を出し合って、その子にとってベストの環境をカスタマイズしていく、していける時代。

そう考えると、これからの学校というのは子供達だけでなく、親にとっても頭の使い甲斐のある、面白いところになっていくのかもしれませんね。