努力する子の育て方

努力に勝る才能無し!努力の才能を育てる教育法、ボルダリングによる育児ハック実践、我が家の超個性的なギフテッド児の生態など

子供に努力を信頼させる戦略的育児(後編)努力の成功体験を生みだす活動内容選択

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(注)この記事は前編・後編の「後編」です。こちらの記事から読み始めた方には、前編からの通読をお勧めします。

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前編で書いた通り、努力を信用していない状況で、努力することは困難です。努力する子を育てるためには、子供の努力への信頼を育てる必要があります。そして、そのためには子供に努力の成功体験を積ませていくことが重要です。そこで前編では、「努力の成功体験は親が創って与えるものだ」というマインドセットと、スモールステップ意識の重要性について解説しました。

しかし、いかに親がマインドセットを整え、スモールステップを意識して成長を指摘する準備をしていたとしても、やはり子供の努力と呼べる行動自体が生まれなければ、努力の成功体験を与えていくこともできません。また、子供が行動していても、遅々として上達や進歩を生めない状況や、親がその成長を認識できない状況では、やはり親は努力の成功体験を子供に与えることが難しくなります。そしてそんな状況では、子供はその活動へのやる気を無くし、やめてしまう可能性も高くなってきます。

しかし、わざわざそんな努力の成功体験を積みづらい活動に固執する必要はないのです。努力の成功体験を積みやすく子供がよりやる気を出せる、有利な活動内容を戦略的に選択していくことで、効果的に子供の努力への信頼感を育んでいけます。そこで今回は、子供に効率よく努力の成功体験を積ませるために、有利な活動内容の条件を見ていくことにしましょう。

強固な努力への信頼を育むために、活動内容は絞った方が効率的

ここで「努力の成功体験の質」というものを考えてみましょう。何か一つのことに継続して取り組むとき、始めたばかりの初期に得られた努力の成功体験と、何年も続けた後に得られた努力の成功体験が、それぞれもたらす努力への信頼度は、同じでしょうか?決して同じではありません。当然、何年も続けた上で、より難易度の高い内容をクリアするための努力から得られる成功体験の方が、より強固な努力への信頼へと繋がります。いくら親がマインドセットを整えていても、2日間の努力から得られた成功体験では、子供に1年分の努力を信頼させて取り組ませるには、説得力が足りません。

つまり、子供が強い努力への信頼を育んでいくためには、ある程度一つのことに継続して取り組み、より習熟し、より高度で困難な課題をクリアするための努力というものを経験していく必要があります。

そして、努力の成功体験から育まれた努力への信頼は、活動内容や分野が変わっても、応用が効くものです。例えば、学生時代球児として一生懸命練習し上達した中で培われた努力への信頼は、野球以外にも間違いなく生かすことができます。「○○で鍛え上げられた根性」などと呼ばれるものの中に、当然この努力への信頼というものは含まれているのです。

従って、より強い努力への信頼を効果的に育んでいくためには、努力の成功体験を得るフィールドを絞り、集中的に継続して取り組んでいく方が、複数のフィールドで分散的に取り組んでいくよりも、有利になります。

そして、フィールドを絞るのであれば、努力の成功体験を積んでいくのにより有利なフィールドを選択した方が、当然効率よく努力への信頼度を高めていけることになります。

 

 

 

努力の成功体験を積ませるために有利な活動内容の条件

それでは、どんな活動内容を選択すれば、子供に効果的に努力の成功体験を積ませられるのでしょうか?その条件を具体的にみていくことにしましょう。注意点として、今回書いていくのは、「努力の成功体験を効果的に生み出す」という点だけに注目した場合の条件です。子供の活動というのは、別に努力の成功体験を得るためだけのものではありません。従って、実際に子供の活動内容を選ぶ場合には、その他の様々な育児上の狙いや目的とのバランスを考えつつ、総合的に選んでいくことが大切です。

子供が好きな、自分からやりたいと言うもの

ここに書く全ての条件の中で、一番大切なのがこれです。これを外していれば、残りの条件が全て満たされていても意味がないほど重要です。好奇心は、子供のやる気を生みだす絶大なる原動力です。大人であれば当然のようにある「この先役に立つ」「健康のため」などといった様々な損得勘定は、子供にとってはあまり説得力を持ちません。それは当然、「努力の成功体験」を含めて努力や行動の結果を推測するための経験が、子供には無いからです。

つまり、子供は純粋に「楽しそう」「面白い」「やってみたい」「できるようになりたい」といった好奇心だけで、活動を継続していけます。努力の成功体験を与えていく上では、子供が自発的に活動してくれる状況がベストです。ですから、子供がその活動内容に好奇心を持っているかどうかは、非常に大事な条件となります。子供が好きな、やりたいと思う活動内容を選んでいきましょう。

親も興味を持てる内容を選ぶ

子供に努力の成功体験を積ませていくためには、親の関わり方が大切です。親が興味を持てる活動内容であればあるほど、それをやっている子供への関心も高まります。親が気乗りしない活動内容では、ずっと子供の様子を見ているが難しくなります。従って、親が子供の活動に関心を持てるかどうかも、非常に重要なファクターです。

子供の能力的にあまりに不向きな活動は避ける

子供は誰しも得手不得手を持っています。例え子供が非常に興味を持っていて好きな活動であっても、やはりあまりに不得手でいくらやっても上達しないという状況では、努力の成功体験を積んでいくためには不利であると言えます。努力の成功体験を積んでいく活動内容には、ある程度能力的に向いているものの方が良いと思います。

親が子供を間近で見られるのは大切な条件

活動内容を選ぶ際には、その活動の中で親が子供の活動をよく見ていられるものを選びましょう。でないと、活動の中での子供の小さな成長を発見していくことができません。親の同伴が難しかったり、遠くからしか見学できないような習い事では、この点が大きな不利益となります。

親の経験はメリットにもデメリットにもなる

親にその活動内容の知識や経験があると、子供の細かい進歩にも専門的な視点で気づいてあげられるため、努力の成功体験を与えていく上で有利です。しかし、一方で親自身がその活動内容にこだわりがあり、また上手であるという場合、自分自身と比べて子供の成長度合いや成長速度を不当に過小評価してしまうことがよくあります。従って、こうした場合は特に前の記事で紹介したマインドセットを強く持ち、スモールステップを意識しながら子供を見ていかないと、大きなデメリットとして働く場合もあります。

勝負要素ばかりの活動は努力の成功体験を積みづらい

例えば将棋などのゲームのように、 常に勝ち負けがハッキリする内容のものは、「勝率アップ=上達」「強い人に勝った=上達」といったように相対的な結果を中心とした技術評価になることが多く、努力の成功体験を積む上でのスモールステップと相性が非常に悪いです。こうした活動で勝敗に関わらずスモールステップを実践するためには、親に非常に高い専門知識が必要になります。もしそうした専門知識がない場合には、努力の成功体験を積むための活動内容としては避けた方が無難です。

当ブログのおススメはボルダリング

今回、前後編にわたって書いてきた「子供に努力を信頼させる戦略的育児」を実践していくために、私がお薦めする活動はボルダリングです。当ブログの「ボルダリング育児最強説」カテゴリでは、実際にボルダリングを使って、どのように努力の才能育成を実践していくかを紹介していく予定です。今回の記事の内容が抽象的でイメージがわかなかった方や、今回紹介した内容をさらに詳しく理解したい方は、是非「ボルダリング育児最強説」の記事にもご注目頂ければと思います。

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