努力する子の育て方

努力に勝る才能無し!努力の才能を育てる教育法、ボルダリングによる育児ハック実践、我が家の超個性的なギフテッド児の生態など

うちのギフテッド児、中学受験の結果(2)

 

 

(前の記事からの続きになります。未読の方は(1)からどうぞ)


会場へと入っていったケイの背中を見届けて、家へと戻る道すがら・・・青く澄んだ冬晴れの空の下、胸のあたりにずっしりと感じる、鈍い重み。

あと30分ほどしたら適性検査が始まるな・・・その後は順次面接試験・・・ケイの受験番号は結構後ろの方だったから、待っている間に疲れてしまわないといいけれど・・・。

我が子のこの先6年間を決める一大事に、案ずることしかできない。そんな無力感を抱えて待つこの時間には、自分自身が臨んだ受験とは全く違う、経験したことのない辛さがありました。

まあでもね、彼の人生は彼のもので、私達親がどうこうできるものでも、どうこうすべきものでもないのだから。

近い将来、彼には自分の行動の結果を全部自分で受け止めながら、自分で考えて選択して生きていく、そういう自立した人間になって貰わないと困るのは私達なのだから。

そう考えたら、彼の意思で始まり、彼のモチベーションを頼りに山あり谷ありで進んできたこの中学受験は、結果泣いても笑っても、この先自立した人生を彼が歩んでいく上での大きな糧になるのでしょう。

それでもケイのこれまでの取り組み、特にラスト1か月くらいの追い込みには彼の志望校への思いが強く見て取れて、出来ることなら上手くいって欲しいと思うのが正直な気持ち。

それに、もし3年後にも高校受験があって同じような思いをしないといけないとなったら、それは想像するだけで気が滅入る・・・。

そんな風に思いを巡らせながらケイの帰りを待った時間は、永遠にも思えたようなあっという間に過ぎたような、なんとも不思議な感覚を残して過ぎていきました。

やっと訪れた受験の終わり

ガチャッと玄関ドアが開く音が、ケイの、そして我が家の中学受験の終了を告げてくれました。この1か月の我が家的にはかなり自制した生活が終わる、家族全員が待ち望んだ瞬間。

帰ってきたケイにドタバタとかけより、ねぎらいもそこそこに「どうだった?」と聞くと、彼は非常に明るい声で、「面接上手くいったわ~」との返事。

なんでも今年の面接には論理パズルをその場で解く課題が含まれていて、ケイは正答間違いなしの納得の回答をすることができたと。

「道徳の問題みたいな苦手なタイプの質問じゃなくてよかった~いや~本当によかった、心配してたからさ~本当にラッキーだったわ~」と、朝の静けさが嘘みたいに喋り続けるケイ。

面接待ちの時間には、その場で意気投合した何人かの受験生と一緒に物を投げて遊んでいたとかいう話で、なんというか、想像以上の自由さを感じましたね・・・。

肝心の適性検査の手応えを聞くと、「うーん、塾の予想問題よりも難しかったけど、それなりにできたと思う」との事。

「自己採点してみる?」と聞くと「したくない!どうせ記述の採点わからないし」とピシッと言って、ケイは一月ぶりに任天堂Switchの電源を入れたのでした。

その後、結局ケイは自己採点はせず・・・中高一貫に入ったら物凄く速い授業スピードについていくために沢山勉強がいる、公立中学に入ったら3年後の高校受験に向けて沢山勉強がいる、だから受験が終わっても結果を気にせず勉強を継続しましょうという塾の先生のアドバイスに従って、新しい勉強をスタートさせていました。

まあ、入試結果のことはあまり考えたくなかったのかもしれません。ケイがやると言い出したのは、「すらら」での高校数学。

そこで小6の春に数検3級をとって以降は受験勉強のために休会していた「すらら」にアカウントの復帰をお願いし、ケイはとりあえず中学数学の復習から手をつけました。

結果発表日まで終わったことをあれこれ心配してもしょうがないとは思ったので、この切り替えた過ごし方は精神衛生上も非常に良かったですね。

 

 

そして結果発表

そんな風にして、努めて結果のことを頭から追い出すようにしながら迎えた発表の日。

合否発表用URLへとアクセスすると・・・そこには無味乾燥なテキストで表示された、ケイの合格を示す一文。

いや、まあ途中で失速したとはいえ、最後の追い込みで十分成果は上がっていて、勝算はあったのだけれど・・・それでも水物である高倍率の入試にあって、きっちり本番で結果を出すのは凄い事。

面接で得意分野の質問が出たのも、学校がケイみたいな生徒を取りたかった証拠とポジティブに捉えられるし、まあ本当に、良かった良かった。

ケイ本人は、小学校の端末から休み時間にアクセスして結果を知ったらしく。家に帰るとそこには、リラックスした表情で堂々とYoutubeを楽しむケイの姿がありました。

その後の話

合格発表から数日は、入学手続きで関係各所に書類提出巡りやら、制服の採寸やらで結構タイトなスケジュールでした。

制服の採寸で、大人しく係の人の指示に従っているケイの姿を見ていてふと思ったのは、小さな頃の彼だったならば、「僕もやってみたい!」と採寸用のメジャーに手を伸ばしながら、係の人にずっと話かけていたりしただろうなあということ。

そう思えば、ケイも随分と大人になってきたというか、"普通"に見える所作を身につけてきたというか・・・もっとも、家でのマシンガントークと質問魔ぶりはあまり変わった様子は無いのですが。

むしろ最近は「ねえ好蟻性昆虫ってさ・・・」とか「ねえダイヤモンドって靭性は・・・」とか、どこで仕入れた知識なのかわからない言葉を使って話しかけてくるので、むしろ小さな頃よりユニークさが増してきている感もありますが・・・。

中学受験ふりかえり

さて、最後に我が家にとってはじめての中受を振り返ってみたいと思いますが・・・いやあ、やはり率直に言って何度も経験したいものでは無いですね。

自分の受験体験に比べても、子供の受験の方が余計にストレスフルな気がしました。

まあ我が家の場合本格的な受験モードは最後の1か月だけだったし、親が適性検査の問題を解いて分析するといったようなことも結局しなかったので、小4から弛まず受験を見据えて準備・伴走できるようなご家庭から見たら、これだけ塾丸投げの本人任せでストレスフルとは何事かということになるのかもしれませんが・・・。

でもやっぱり私は受験勉強にはあまり興味が持てないので・・・今回ケイが受かってくれて、3年後の高校受験が必要なくなったというのは非常に喜ばしいです。

それでも、自分の進路を自分で選んで、それを実現するための努力をしてという中学受験のプロセスは、ケイの自立に向けては非常に有意義だったというのも実感するところ。

広い意味での勉強、子育てのツールとして中学受験は役に立つものだというのは、私にとっても新しい学びでありました。

この辺の感想は、例え結果が悪かったとしても変わらないと思います。むしろここで一度軽く躓いておいたくらいが、この先の長い人生での教訓として考えたらより有意義という可能性も確実にありますしね。

今後の期待

まあ一方で、受験して入る中高一貫の方が、学習諸々ペース合わない問題を抱えてきたケイにとって合う環境というのは間違いなさそうで、そういう点でケイがこの合格で得るものもまた大きいのかなと思います。

授業進度が普通の公立と比べて1.5倍以上速く、余した時間で科学や語学の独自カリキュラムをこなしていくということなので、きっとケイも、今後はそんなに退屈しなくて済むのではないかと。

それに、同じ小学校から合格した子の中には、ケイと似たマシンガントークでわちゃわちゃタイプの子も見受けられ・・・ケイと通じ合う子がある程度各地から集まってくるのではないかと期待でき、気の合う仲間との出会いがあればいいなと思います。

まあ色んな人にパワフルさとユニークさを感心されるケイのことだから、また思いもよらないことは起こるのかもしれませんけども・・・。

6年前の小学校入学の時と比べたら、この先6年に感じる不安はもう微々たるものに感じられる、同じ入学を控えた3月なのでありました。