努力の才能を伸ばす理由
将来的な子供の幸福を考えた時に、親が伸ばしていくべき子供の能力とは?
教育現場の経験から、私はこう思います。学力も語学力もあるにこしたことはないけれど、無いと絶対困るのは「努力の才能」であると。
ここで言う「努力の才能」とは、言われたことをコツコツ継続できるといった類の話ではありません。自らを成長させるための活動を、自らの意思で、労をいとわず進めていける、自律的な能力です。
努力を努力と思わず自然に実行できる力と言っても良いでしょう。
親離れしても子供の人生は続く
なぜ学力でもなく、語学力でもなく、努力の才能なのか? それは、子供の人生というものは、親から離れてからが本番だからです。
実際のところ、子供に成長力が試されるのは、学校にいる時よりも、大人になって社会に出てからです。
学生時代いかに優秀でも、卒業後そのままの能力で、その後の人生乗り切っていける人は、まずいません。
一人立ちし誰のサポートもなくなっても、自ら成長していくための能力が、社会で生きていくためのカギになります。
子供の価値観は親とは違うもの
さらに、子供の幸せというのは、親には予想のきかない代物です。
親子といえども別人格、子供が何に興味を持ち、どんな夢に向かって進んでいくか、途中の紆余曲折を含めて予めわかるという親は、この世にいません。
であるならば、子の幸せのため親が与えるべき能力は、子供がどんな道へ進もうと役に立つ力、つまり、努力の才能でしょう。
子供の努力の才能 伸ばすも潰すも親次第
この努力の才能の芽は、誰もが持っています。そしてその芽を一番上手に育ててやれるのは、誰でもない、我々親です。親が上手に関われば、子供の努力の才能は、どんどん伸びて花開くでしょう。
しかし一方で、子供の努力の才能の芽を簡単に潰してしまえるのも、私達親です。親が独りよがりの価値観で子供を縛り付ければ、努力の才能の芽はすぐダメになってしまいます。
実際にこれまで幾人も、そうして努力の才能を失った残念な人たちを見てきました。どんなに天賦の才に恵まれようと、超難関校に合格し前途洋々に見えようと、親に努力の才能を潰されたならば、子供は進むべき道を見つけられずに、途方にくれてしまいます。
子供の自立という育児のゴールへ向けて、その後も続く子供の人生をより憂いなく見守れるように、子供の努力の才能を、守り育てていきましょう。