努力する子の育て方

努力に勝る才能無し!努力の才能を育てる教育法、ボルダリングによる育児ハック実践、我が家の超個性的なギフテッド児の生態など

子供が成長するボルダリングジム選び

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ボルダリングの流行で、全国各地に次々とボルダリングジムができています。都市部でなくても、周囲にボルダリングジムが何軒かある状況は珍しくなくなってきました。子供を連れてボルダリングジムに行く上で、選択肢があるのは大変喜ばしいことです。

ボルダリングを育児ツールとして利用する上では、子供を登らせるのに適したジムを選ぶことがとても大切です。実際、私がケイを最初に連れていったジムは、あまり子供向けのジムではなかったため、色々不都合なことが沢山ありました。間違ったジムを選ぶと、子供の教育上は逆効果ということにもなりかねません。

そこで今回は、親がより楽ができ、子供がより楽しめて、教育上の効果もあがる、ボルダリング育児の実践に向いたボルダリングジムの選び方について書いていきたいと思います。

まずは年齢制限を確認する

ボルダリングは危険を伴うスポーツなので、年齢制限を設けているジムがほとんどです。そこで、子供を連れていく場合には、まず最初にジムのウェブサイトで年齢制限を確認しましょう。

少し前まで、多くのボルダリングジムは6歳以上、小学生以上の年齢制限を設けていて、未就学児お断りでした。しかし最近では、次第に年齢制限を引き下げたり、特に設けていないジムも増えています。

基本的に年齢制限が低いほど、キッズフレンドリーな環境の可能性が高くなります。子供が未就学児の場合は年齢制限に引っかかると登れないため当然ですが、小学生以上の場合でも、いくつかのジムを比較する際は、年齢制限に注目すると良いでしょう。

子供のリーチ問題に配慮しているジムを選ぶのが大事

子供の「リーチ問題」に配慮があるジムかどうかは、育児のためのボルダリングジム選びでは最も真剣に考慮すべき点です。リーチとは手を伸ばして届く範囲で、背の高さに大体比例しています。ボルダリングは背が高ければ高いほど有利という単純なものではないものの、リーチが足りないと不利になる場面は現実的に多いです。大人に比べて背が低く、リーチが短い子供の場合、大人を念頭に作られている課題では、極端に難易度が上がったり、最悪手が届かなくて絶対に登れない場合もでてきます。

リーチ問題のあるジムでは、子供が課題を登れないときに、すぐにリーチを言い訳に諦めてしまうという教育上の大問題が発生します。一見手が届かないように見えても、実は動きの工夫で簡単に届くようになるという課題は結構あり、その動きを試行錯誤しながら思案し、自分で発見するのがボルダリングの醍醐味であり、また非常に良い教育効果が得られる部分なのです。

しかし、実際にリーチのせいでどうやっても登れない課題をいくつか経験すると、子供はすぐに「またリーチのせいで登れない」と判断してしまうようになります。これは、「どうせ頑張っても意味がない」という、学習性無気力と呼ばれる本当に危険な学習です。つまり、子供のリーチ問題に配慮の無いジムは、子供の学習性無気力を誘発し、試行錯誤する意欲を奪ってしまいます。これでは、ボルダリング育児の教育効果は台無しであり、むしろ逆効果であると言えます。

また、リーチ問題がひどいジムは、親が楽できないという点も非常に問題です。子供が登れないときに、頑張れば登れる課題か絶対登れない課題かを、いちいち判別しなければなりません。自分で判別できればまだ良いですが、わからない場合はいちいちスタッフに確認することになります。子供が課題を変えるごとにそんな必要があっては、せっかくのボルダリング育児で、親が楽できないという残念な状況が生まれてしまいます。

競技としてのボルダリングに真剣に取り組む選手にとっては、リーチ問題は自分の努力で克服すべき課題の一つなのだと思いますが、ボルダリングを育児ツールとして使う上では、子供のリーチ問題に真正面から向き合うメリットはありません。

ジムの限られた空間の中で、子供から大人まで幅広いリーチの人が楽しめる課題を提供するには様々な努力が必要で、そうしたサービスを提供できないジムがあるのは仕方ないことだと思います。しかし、ボルダリング育児のメリットを最大限に享受するためには、そうしたジムは積極的に避けて、より子供に配慮のあるジムを選びましょう。

 

 

子供のリーチ問題に配慮のあるジムの選び方

一番安心なのは子供専用壁が充実したジム

最近のジムでは、子供しか登れない子供専用エリア、子供専用壁を設けるところも増えてきました。子供専用壁の課題は全て背の低い子供に合わせて作られているため、リーチ問題を心配せずに子供に登らせることができます。

渋谷のPEKID'Sは、丸ごと子供専用のボルダリング施設です。また幕張のPEKIPEKI、名古屋のぴなくる2など、子供専用エリアが大変充実しているジムもあります。ジムを選ぶ際は、リーチ問題を気にしなくて済む子供専用エリアがあるかどうか、ウェブサイトで確認してみましょう。

子供向けのクライミング教室やイベントが充実したジム

子供専用エリアがなくても、子供用の課題をたくさん設けたり、大人も子供も登れるように課題を工夫したりして、子供の身長に十分配慮しているジムがあります。子供専用の壁になっていなくても、子供用の課題が区別してあれば、リーチ問題が発生する課題かどうかをいちいち見分ける必要もなく、快適です。

子供専用エリアのないジムの場合、子供向けのクライミング教室やキッズイベントの充実具合をウェブサイトやSNSで確認してみましょう。小さな子供向けに週に複数回クライミング教室をやっているジムであれば、教室で使う子供用課題が充実しているはずです。また、キッズイベントを頻繁に行っているジムほど、子供の身長を常に意識した課題作りをしています。

SNSで子供のクライミング動画をチェックする

最近はインスタグラムなどのSNSに、子供が実際に登っている動画が投稿されていることが増えています。気になるジムがどれくらい子供にフレンドリーかを調べるために、SNSでジム名を検索して子供の動画を探してみるのがお勧めです。小さな子供が登っている動画がたくさん出てくるジムほど、子供に配慮しているジムである可能性が高くなります。

新しくて広いジムにまず行ってみるのもおススメ

ジム面積の広さは、子供を連れていく上での色々なメリットにつながる重要ポイントです。ジムの細かい条件がよくわからなくて選ぶ決め手に欠ける、SNSを検索したりするのが面倒だ、とにかく早くボルダリングに子供を連れていってみたいといった場合には、とりあえず新しくて広いジムに足を運んでみるというのも良いと思います。

施設が広い方が、登れる壁や課題の種類も増やせるため、より子供に配慮するジム側の余裕も生まれてきます。壁や課題の種類が多ければそれだけ順番待ちの時間も減り、待機スペースにも余裕ができるので、ジムにいる人たちの心にも余裕ができます。

子供を連れていく場合、子供がルールを徹底できるようになるまでは、どうしても他人の近くで登ってしまったり、登っている人の下に入りこんだりという危険な状況が生まれがちですが、ジムのスペースが広ければ、衝突事故やニアミスが起こる確率が格段に抑えられます。

ジムが広いと子供も安心して動き回れます。また、親もゆったりとスペースをとって子供のクライミングを見ていられます。スペースの広いジムの方が、親子共にストレスなく時間を過ごせます。

既存のジムとの差別化を図るためか、ボルダリングの普及が進んで立地が悪くても人が集められるようになったためか、新しいジムは立地を少々犠牲にしても広い面積の施設を作る傾向にあるようです。もし年齢制限などその他の条件が同じようなジムであれば、新しくてスペースに余裕のあるジムにまず行ってみると良いでしょう。

最初のジム選びを失敗した実体験

ケイ(小1)をボルダリングに最初に連れていった時に、一番最初に行ったジムが失敗でした。大して調べずに、一番近いからというだけで足を運んだのですが、非常に手狭ですぐ満員状態になってしまい、狭い通路が待機スペースなので、座って子供を見ていることも難しいジムでした。

さらに子供のリーチ問題がひどく、小1以上で登れる年齢制限にも関わらず、小さな子供が登ることを考えた課題設計を全くしておらず、ごく初級の課題から子供には手が届かないものが続出し、ジムのスタッフも「この課題はもう少し背が伸びたらだね」と言うことしかできない状態でした(ケイの身長は同年齢の平均より少し大きめです)。

最初のジムでもケイは何時間も登り続けてはいましたが、やはりリーチで登れない課題の存在には相当不満げでした。さらに登れない課題が出てくるたびに「これはもう少し背が伸びたらやる」とチャレンジしない姿勢が見えたので、もっと子供に登りやすいジムを探すことにしました。

幸いそれほど離れていない場所に他のジムがあり、そちらはスペースも広くキッズイベントも充実していたので、良さそうだと思って乗り換えました。ほぼすべての課題が子供にも登れる設計になっており、リーチを気にせずに子供が一生懸命試行錯誤できる環境で、満足しています。その後他のジムにもいくつか行ってみていますが、最初に行ったジムに比べると、最近のジムはどこも子供のことを考えているなあという印象です。

最初のジムでケイがボルダリングを続けていたら、この「ボルダリング育児最強説」を書くことはできなかったと思います。ボルダリングで効果的に楽な育児を実践していくために、良いジム選びをしていきましょう。