努力する子の育て方

努力に勝る才能無し!努力の才能を育てる教育法、ボルダリングによる育児ハック実践、我が家の超個性的なギフテッド児の生態など

うちのギフテッド児はじめての授業参観

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2018年の4月からついに小学校へ通い始めた我が家の長男ケイ。多動や対人積極性などの特性はあっても、特に学校からの連絡などもなく、笑顔で毎朝家を出ていく様子に、ほっと胸をなでおろしていました。

そんな中、入学式から2か月ほど経ち、ついに訪れた初めての授業参観。親子イベントのようなものはそれまでにもありましたが、授業中の子供の様子を見学できる機会というのは、これが初めてのことでした。家で聞いても、授業中もちゃんと座って聞いているし、手を上げて発表していると本人は言う。けれど、実際のところどうなんだろうかと、ドキドキしながら参加しました。 

授業中のケイの様子

この日の科目は算数で、「絵の中にあるものを使い、答えが7になる足し算の問題文を作る」という内容でした。動物や花が描かれているイラストがプロジェクターで表示され、それを見ながら数を足すと7になる物の組み合わせを探し、問題文を考えるという課題です。

ケイの様子はというと・・・さすがに本人が言っていただけのことはあり、授業中はきちんと座って話が聞けていました。授業中立ち歩いてしまう子もクラスの中でちらほら見かけ、1年生の1学期はまだ座っていられない子供も多いというのは、本当なんだなと思いました。

立ち歩きはありませんでしたが、多弁と衝動性の問題はまだそれなりにありました。プロジェクターで表示された絵に重なっていたマウスカーソルが気になって、先生に「それはなに?」と質問してしまったり、授業の中クラスメイトの作った問題文の間違いをいきなり指摘してしまったり、問題文を考える時間が余って暇な時に、近くに立っていた他所のお母さんに話しかけてみたりと、何回かやらかしていました。ケイは声が大きいので、余計に目立つんですよね・・・。まあ、授業の流れの邪魔になるようなものはなかったので、そこは良かったです。

その他には、問題文を作り終えた後に消しゴムのカスをひたすら集めて練って遊んでいましたが、これは待ち時間の話。その後の発表時間では手遊びなどはしていなかったので、きちんと切り替えはできているようでした。

 

 

ケイの担任の先生にビックリ

小学校の授業は先生の能力次第でずいぶん変わると言いますが・・・ケイの担任の先生の授業には、ハッキリ言ってかなり感心させられました。授業参観といったら普通注目するのは自分の子供の様子だと思いますが、この日の授業で一番光っていたと思ったのは、個人的にはケイの担任の先生の授業の腕でした。

小学1年生の授業は、先生の指示を生徒がこなして、「よくできましたー」で終わりくらいの単純なものだと勝手に思っていたんですよね。しかし、この日ケイが受けた授業の中で、先生は子供たちの好奇心が伝播・連鎖して、大人が何もしなくても、集団の中に自然と創造性が育まれていく様子を見せてくれました。

生徒が作った、答えが7になる足し算の問題文の発表の時間、先生は同じ答えの繰り返しでも全く気にせずに、「いいですね」とだけ言いながら、たくさんの生徒に発表させていきました。すると、同じ答えの繰り返しの中に、これまでとは違う視点の答えが混じってきます。

例えば今まで同じ生き物同士を足している問題文ばかりだったのが、別の生き物同士を足す問題を作る子が出てくる。すると、その違いを察知した子供が、まねをして問題を作る。それが何回か続くと、今度は同じ動物の中の色や形の差など、細かい違いに注目して問題を作る子が出てくる・・・というように、この授業の中で子供たちは、自分が持っていなかった新しい視点に敏感に反応しながら、次々と創意工夫を見せていったのです。

しかし先生は、全く何にも特別な働きかけはしません。もっと工夫してみようとか、違う文章を作ってみようとか、そんなことは一切言わず、少し変わった問題文が出たら「そういうのもいいですね」と言うだけです。それを続けているだけで、子供は自主的に創造性を発揮する。そしてそれは何も言わなくても、自然にクラス内に伝播していく。

誰も何も言わないけれど「いかに新しい種類の問題文を作るか」という楽しみ方を自分たちで作り共有した教室は、活気にあふれていました。自分の作った問題文を一度発表して満足していたケイも、友達が作った違う視点の入った問題文を聞くや否や、ハッとした表情をして、すぐさまそのアイディアを取り入れた新しい問題文作りにとりかかっていました。

学校での勉強では、やはり家での勉強とは違う面白さと意義を生み出せるんだということを、ハッキリ確認させてもらえました。そして、この先生の授業なら、たとえよく知っている内容の復習であっても、楽しませてもらえるんじゃないかと思いました。

ケイのやらかしにも先生余裕の神対応

授業の進行だけでなく、突発事象に対する対応も見事でした。この授業でケイの一番目立ったやらかしは、友達が発表した問題文の間違いを「でもそれだと7にならないよ」とやや食い気味に指摘したことだったのですが・・・「あーやってしまった」と思っていると、先生が「うん、それならこうしちゃおう」と言いながら、プロジェクターで投影している絵にPC上で手を加え、なんと足りなかった鳥を一羽増やして、答えが7になるようにしてしまったのです。

この対応には保護者から「おお~」と歓声が上がっていました。想像を超える解決法で皆を驚かせ、「正解かどうかはそんなに重要じゃないんだよ」という明確なメッセージでクラスを安心させ、間違ってしまった子が傷つかないようにフォローし、それを指摘したケイに悪印象がつくことも防ぐという、まさに神対応でした。

「相性の合わない先生に、問題とは思えない言動をやたら注意され、子供がクラスで問題児みたいに扱われてしまった」みたいな怖い話も聞きますが、子供の言動が周りにどんな風に捉えられるかは、本当に先生の対応次第です。その点、ケイはとっても良い先生に当たったのではないかと思いました。

初めての授業参観を終えて

ケイがきちんと授業を受けているのを確認できたのも良かったですが、それ以上に、余裕があって授業が上手い、頼もしい先生がケイの担任になってくれたという事実がわかったことが収穫でした。

小学校の授業というものを、正直なめていたなと思いました。それくらい、ケイの先生のこの日の授業には感心させられたのです。この先生なら、きっと子供の多様な個性を認めて、子供を型にはめずに育ててくれるのではないかと、期待が大きくふくらんだ、そんな授業参観でした。