努力する子の育て方

努力に勝る才能無し!努力の才能を育てる教育法、ボルダリングによる育児ハック実践、我が家の超個性的なギフテッド児の生態など

やはり想像がつかない、うちのギフテッド児の頭の中

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先日帰宅すると、居間でケイがタブレットに向かい、チャレンジイングリッシュに取り組んでいました。ベネッセが提供しているアプリベースの英語教材ですが、ケイはかなり気にいっていて、毎日欠かさず取り組んでいます。

ケイが勉強している間、いつもなら消えている居間のテレビが、その日はついていました。2歳でイヤイヤ期真っ只中の弟ちーちゃんの機嫌が悪く、お気にいりの番組を見せて落ち着かせていたのでした。

テレビがついていると、当然ケイはなかなか集中できません。英語の問題を解きながら、手を止めてはテレビの方をチラチラ、チラチラ・・・。「テレビついてて大丈夫かなこれ?」と思いながらケイの様子を見ていると、リスニングの問題が始まりました。

このリスニングは、6,7文の問題文を聞いた後に、その内容に当てはまる絵を選択するという形式でした。小1なのに結構難しいことやってるなあと思って解いているケイを見ると、もはや顔が完全にテレビの方を向いていて番組に釘付け・・・その間にも新しいリスニングの問題が容赦なくスタートしていきます。しかし、ケイの視線はテレビに釘付けのまま。

ケイの視線が一度もタブレットに戻ってこないうちに、一問分のリスニング音声が流れ終わりました。そして、選択肢を選ぶ時間がスタートしても、視線はタブレットに戻ってきません。

【ケイ、ちゃんと聞いて!】と声をかけようとした瞬間でした。ついにタブレットに視線を戻したケイが、「"Second"って言ってたから・・・これだな」とつぶやくなり、当たり前のように正答したのです。ケイは、そのリスニング問題が流れている間、本当に一度もテレビから視線を動かさなかったのに、です。

ビックリして出かかった言葉を飲み込み、そのままケイの様子を見ていましたが・・・ケイは問題が読まれている間度々テレビに視線を移し、傍目には全く問題を聞いていないように見えるのに、全問正解でそのリスニングを終えたのでした。

 

 

自分の能力と想像力の限界を子供につきつけられる

これと似たようなことが、以前にもありました。授業参観でケイが、明らかに教科書を読みふけりながら、授業もしっかり聞いているというマルチタスクで、私たちを大いに困惑させてくれた一件です。

上の記事でも書いていますが、その一件で私はケイの人並み外れたマルチタスク能力を認識し、ケイが周囲から「やる気がない」とか「不真面目な態度だ」とか誤解を受けないよう、まず親がケイのことを誤解しないようにしていかないといけない、と肝に銘じたはずでした。

にも関わらず、今回も私はケイの態度を誤解して、ちゃんと聞いているケイに「ちゃんと聞け!」と無理解な注意を与える寸前までいきました。思ったのは、やはり人間、自分にできないことを想像するのは容易ではないということです。ケイがこの日取り組んでいたリスニング問題を、テレビを注視しながら解けと言われたら私にはできません。だからケイにもできないと思ってしまったのです。

英語と日本語が同時に入ってくるだけで混乱するのに、視覚情報までついてきたら完全にキャパオーバーです。なんでそんなことができるのか、やろうと思えるのか、ケイの頭の中で一体何がどうなっているのか、想像もつきません。もうそれ超能力なんじゃない?とすら思っています。

しかも、非常に紛らわしいことに、ケイには過集中の特性もあるのです。普段ケイがテレビを見ている時は基本的に過集中状態で、声をかけてもほぼ反応が返ってきません。だからこそ、ケイの視線がテレビに釘付けになった時に、「これは絶対リスニングが聞こえてない」と信じて疑いませんでした。

・・・うん、まあ全部言い訳ですね。やはり、私の狭い想像力の範囲でケイをジャッジすることを慎め、という点に尽きるのでしょう。それは頑張ります。しかし、学校の先生やクラスメイトにこういった点を理解してもらうのは、かなり大変だろうなあと感じます。なんせ、ケイの特殊さを認識している親の自分でも難しいことです。そして、先生やクラスメイトの中に、ケイと同じような認知能力を持つ人が含まれている可能性は、低いですからね・・・。

これが「IQのレベルが違うと互いに理解できない問題」なのか

ケイのこうしたマルチタスク能力を見ると、ケイの視覚情報と聴覚情報の並行処理能力には、私みたいな普通の人間の想像を超えたキャパシティーを感じさせられます。WISC-IVの結果では、下位検査の語音整列が満点の19でした。聴覚情報処理とワーキングメモリの強さは、間違いなくあるのでしょう。

こういうマルチタスクの芸当は、ケイのようなIQプロファイル、認知特性を持っている人には普通のことなのでしょうか?不思議でたまりません。どう頑張ってもそれができない人間からすると、いったい頭の中で何がどうなっているのか、想像がつかないからです。

「IQが20違うと会話が成立しなくなるらしい」なんて話を耳にしたことがあります。20という数値の妥当性はわかりませんし、数値の差だけで考えるのは乱暴かなとも思います。しかし、脳機能のレベルが大きく違うと相互理解が難しくなるということは、ケイを見ていると、痛感させられます。