努力する子の育て方

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適性検査対策の塾の宿題、涙するうちの子に伝えたこと

 

 

 

4月初旬のある日、居間でケイが泣いていました。テーブルの上に広げているのは塾から貰ってきたプリントの束。この春から通い始めた、志望する公立中高一貫校の適性検査対策クラスの宿題です。

 

「えっ、どうした?」と思わず聞くと、ケイはもう世界の終わりみたいな声でこう絞り出しました。
「文章が・・・書けない・・・」

塾から教えて貰ったことには、公立中高一貫校の適性検査の問題は兎にも角にも記述式で、書く能力がかなり要求されるのだとか。

なので、その対策として出る宿題も、とにかくひたすら書く練習。記述式の問題を解くだけでなく、自由作文の課題まであったりします。

そもそも字を書くのが好きではなく、漢字の書き取りですら泣きを見ていたケイ。

 文章書きも当然あんまりやっていないので、4月から始まったこの沢山書かせる宿題には相当に手を焼いている様子。

解答のポイントになる表の読み取りや計算部分は全部わかっても、その情報を文章にまとめるところで躓く、時間がかかってしまう。その悔しさとフラストレーションで、この日は涙がこぼれたらしく・・・。

こんな字だらけのブログを趣味でやるくらい物を書くのが好きな私。仕事でも頻繁に書き物をするし、他人の書いたものを直すだけでなく、分析しつつ改善点を言葉で説明したりもするものだから、こと文章には一家言ある人間です。

だから自分の書けなさにしょげている息子に、これだけは伝えたかった。文章なんていうものは、練習あるのみなんだよ。言葉が喋れるからといって、文章も書けるというのは幻想だ。最初はみんな下手くそで、書いていくうちに上手くなる。そういうもんだよ。

まあそう言ったところで、練習して上手く書けるようになった自分をイメージできる人なんてほとんど居ないので・・・とりあえずケイには一つ、はっきりとした事実を教えておこうと思いました。

「ああ、お父さんもね、同じだったんだよ」

「お父さんも小学生の時は文章書くのが下手くそだったし、嫌いだったんだよ」

真剣に心配されるくらい作文が下手だった私

小学生時代の私がとんでもない文章を書いていたというのは、子供を勇気づけるための優しい嘘では決してない、誓って本当の、ガチの話。

どれだけ酷い文章かと言えば、私が小5の時の作文集を実家で見つけた妻が「5年生の子供がこれを書いて来たとしたら・・・病院案件じゃない?」と絶句したくらい。

妻が他人の文章を評して何か言うなんて、滅多にあることではありません。それほどに、私の作文は心配になるような出来であったのでしょう。

いや、小学生の頃の私の文章の酷さは、言われなくともわかります。なんせ当時は作文と言われても何をどう書いたら良いのか見当もつかず、一生懸命に文字数を水増ししながらとにかく原稿用紙を埋めていた、そういう自覚があるのだから。

そんな私が今では仕事に趣味に物書きをして、時には良く知らない相手から文章を褒めて貰えたりするのだから面白い。

書き仕事の度私に相談を持ってくる妻は、小5の私の作文を沈痛な面持ちで読んだ後、一言こう呟きました。「人間って成長するもんだね・・・」

だから私は自信を持ってケイに言います。文章なんてね、最初どれだけ上手く書けなくても、練習してれば大丈夫なんだよ。ほら君の目の前に、立派な証拠がいるんだからさ。嘘だと思ったら、お母さんにも聞いてごらん?

 

 

 

子供に伝えた良い文章を書くためのコツ

まあ、押さえるべきポイントがわかった方がもちろん安心だろうから、この日ケイには良い文章を書くためのコツを3つ伝授しました。

  1. 同じ文末の連続は絶対に避ける
  2. 文中の「てにをは」と主語述語は必ず対応させる
  3. 同じ単語、似た意味の語句を繰り返さない、近くに書かない

文章作りで気にすべき事を挙げ始めたらキリが無く、私も書く時は恐らく無意識的に色んなことを考えているけれど、結局最初から最後まで意識して頑張っているのはこの3つのルールを破らないこと。

このルールに抵触しないよう思案しながら文章を作れば、何を書いてもそれなりに様になったものが仕上がるし、語彙や文末処理といった表現の引き出しが書く度増えていくことでしょう。

書くべきテーマ、文字数制限、禁足その他の制約に上記3つのルール、それら全てを満足させるよう練って磨いた文章は、大抵色んな人に感心して貰えるし、自分で読んでも気持ちが良い。そんな経験から自然に出来上がった、私の物書きマイルールです。

中学受験塾の勉強に目から鱗

まあ、テクニックとか色んな話はあるのだけど、文章の上達に一番大切なのは、やっぱり目的と完成への情熱を持って色々書いてみること。書きたくても、書く必要があっても上手く書けないフラストレーションが、文章力向上への一番の原動力だと思います。

でも、文章の基本を教えてもらって考えながら書く機会って、学校教育の中ではほとんど無い気がするんですよね。私がそんな風に文章を考えて書くきっかけを貰ったのも、思い起こせば高校生になってからでした。

なので、小学生の今時分から文章に向きあう機会を作ってくれる適性検査の対策は、子供にとって中々貴重なものだという気がしています。

最初は何も書けずに泣いていたケイも、最近はもう涙無しで塾の宿題を終わらせることができるようになってきた様子。

もちろん塾が気にするのは適性検査で点が取れるかなのだろうけど、これからの塾通いの中で、ケイには物を書くことの面白さに少しでも気づいて貰えたら嬉しいと思っています。

私個人の密かな楽しみは、これからケイが書き散らす練習文章の端々に、彼の不思議な頭の中を読み解くヒントを探すこと。

受験勉強に興味が持てない私は、塾でするのはどうせ受験で点を取るための勉強だからなんて高を括っていたけれど・・・ケイの中学受験対策は、色々為になりそうです。