努力する子の育て方

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映画を観ながらネタバレしまくるうちの子、その意外な原因について

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うちの長男ケイは、記憶力の良い子です。幼稚園でも小学校でも、ケイの相手をしてくれた先生方には記憶力の良さをずっと指摘され続けてきましたし、私達親もケイの記憶力の良さには何度も驚かされてきました。

 


しかし、その記憶力の良さも相まって、ケイはしばしば非常にうざったい行為を見せることがあります。それが本や映画の内容のネタバレです。誰かが読んでる本を見て、「あ、それ読んだことある!○○が××になるんでしょ」と他人がまだ読んでいないかもしれない部分の内容を話し始めたり、一度見たことのある映画を観れば「この後△△が出てきて□□になって~~」と先の筋をべらべら喋り始めたりしてしまうのです。

別に家で録画した映画を観ながらケイがワイワイ喋っている分には大して問題ないんですけど、こういうネタバレ癖を放っておくと、きっとこの先他人の気分を害したりトラブルになったりもするだろうと思い、「物語の先の筋を勝手に他人に教えてしまうのはマナー違反だ」というのはこれまで何度も伝えてきました。

しかし、この映画を観ながらのネタバレ癖が、どういうわけか中々直りません。家で録画した映画を観ると、観賞中に必ず何度か先の筋を喋り始めてしまいます。その度にケイをたしなめるのですが、それでもやはり直りません。

繰り返されるネタバレに、最初は当然「自分がストーリーを覚えていることのアピール」だと考えていた私も、ケイのネタバレ癖は「知ってるアピール」にしては少々おかしいと感じるようになってきました。

よくわからないのは、私達と一緒に何度も観た映画についての、私達に対するネタバレです。「この映画は親と何度も観た」ということをケイが忘れているはずがなく、親が先のストーリーを知っていることも、ケイは知っているはずなのです。

それにも関わらず繰り返されるネタバレは、もはや「知ってるアピール」として機能していないのではないかと、不思議に感じていました。

 

*ちなみにこの文章中には映画「となりのトトロ」と「インサイドヘッド」のストーリーに関する若干のネタバレ要素がありますので、ストーリーを絶対に知りたくない方は読み進めないようにご注意ください。

「映画鑑賞デー」の出来事

その日は、我が家の映画鑑賞デーでした。映画鑑賞デーなんて呼んでみても別になんら特別なことはなく、外出するのが面倒だったので、朝からハードディスクドライブに録画されている映画を何本も観る日にした、というだけのことでした。

トトロに、しまじろうに、トイストーリーにミニオンズと、ケイとちーちゃんのお気に入りの映画を流していきます。ちーちゃんは普段はケイと同様かなりのおしゃべりですが、映画を観ている最中はものすごく静かです。

ケイも、初めての映画であれば全く喋らず食い入るように観ていますが(なので映画館ではお喋りがあまり問題にならない)、一度観た映画の場合は、先の筋を喋り始めるネタバレが発動してしまいます。その日も一本目のトトロを見ている最中に、「この後メイがお母さんのところに行こうとして迷子になっちゃうんだよ~」などと先の筋をペラペラ話し始めたので、早々にネタバレ禁止令が発令されました。

ネタバレをやめなさいとケイに言うと、ケイは「あっ、ごめん」と言ってしばらく静かにしていました。静かにしていたといっても別に黙っているわけではなく、その後も作中の面白いセリフを繰り返して笑ったりと、それなりに喋り続けて騒がしくはあったのですが、少なくともネタバレはしなくなりました。

 

 

そして気づいた、ケイの心の動き

それは、その日の5本目だったか6本目だったか、「インサイドヘッド」を鑑賞中の出来事でした。

インサイドヘッドは、11歳の女の子ライリーの頭の中が舞台の、ライリーの感情や記憶を生みだす脳の働きを擬人化したヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、イカリ、ビビリといったキャラクターが活躍するお話です。


ケイは幼稚園の頃にこの映画を一時期毎日見ていましたが、その後2年ほどはとんと見なくなっていました。この日はたくさん映画を観たので、最近観ていなかったインサイドヘッドに出番が回ってきたのでした。

2年以上ぶりで、懐かしいなあと思いながら鑑賞していると・・・ケイが唐突に、つぶやきました。

「この後はビンボンが助けてくれるから」

とても前向きなキャラクターで、それまでどんなトラブルにも明るく笑顔で対応してきた「ヨロコビ」が最大のピンチを迎え、泣き顔で落ち込むシーンでのことです。

確かに、このシーンの後はビンボンというキャラクターがヨロコビのピンチを救うのです。なので、ケイの発言は立派なネタバレなんですけど・・・この時のケイのつぶやきには、ハッと気づかされるものがありました。

ケイのつぶやきは、明らかに誰にも向けられていない、少々声の大きな独り言だったのです。そしてその独り言は、あまりにも唐突でした。なぜ突然独り言を?そう考えた時、ケイのネタバレ癖に関して、それまで考えてこなかった新しい解釈が降ってきました。

ケイには、このヨロコビが落ち込むシーンが、観ていてとても不安だったのです。だから、その不安を打ち消すために、この先の筋を自分に言い聞かせて、心の安定を図った。つまりこれは、嫌な記憶のフラッシュバックに思わず言葉が口をついて出る現象に、近いものなのだと。

何度も観た映画なのだから、そしてストーリーを覚えているくらいだから、観ていてそんなに感情的になるのかと普通は思いますけどね・・・ケイは元々、テレビを見ながらドキュメンタリーに感情移入して泣きだしたり、共感性羞恥で耳を塞いで「あーもう見たくない!」ともだえたりと、感受性はかなり強い子なのです。



思い起こせば、何度も観た映画であってもケイの共感性羞恥が発動することはあります。そして私的にはどこが怖いのかわからなくても、怖いシーンがあると言って観ない映画がいくつかあるケイ。私達にとってはそうでなくても、ケイにとっては感情を強く揺さぶるシーンがあり、そこでケイが思わず自分を鼓舞するような独り言を発してしまうのは、全く不思議ではないと感じました。

映画鑑賞終了後に実際のところをケイに尋ねてみると・・・「怖かったり不安だったり、悲しかったりする場面で思わず言葉が出ちゃうんだよね」と言っていました。ネタバレ的な発言も、やはりその内容を口にすることで落ち着く効果があるのでしょう。

もちろん、ケイのネタバレの全てがそういうことではなくて、ただ何も考えずに覚えている筋をペラペラ喋った純粋なネタバレも沢山あるとは思いますが・・・ケイのネタバレが単なる「知ってるアピール」とは限らない、そういう新しい視点に気がつけたのが、この日の収穫でありました。

このネタバレ癖を止めるには

空気が読めずに「知ってるアピール」を繰り返しているだけならば、「そういうのは迷惑だし嫌われるから止めたほうが良い」とアドバイスしていくことになりますが、フラッシュバック的なイベントの一環として思わずネタバレが口をついて出るというであれば、「迷惑だから」と言ったところでネタバレがおさまることは期待できないでしょう。

感受性の強さをどうにかするのは難しいことでしょうから・・・すると、ケイのネタバレ癖を無くしていくには、心が不安になるシーンで落ち着く方法として、「先の筋を口に出して安心する」以外の方法に慣れる、というのが現実的だと思われました。なんとか頭の中で先のシーンを思い浮かべるだけで、落ち着けるようになると良いと思っています。

そして、誰かの前でこのフラッシュバック的なネタバレ癖が出てしまった際には、「このシーンがいつも不安でつい言葉が出てしまう」と正直に伝えて謝る方が、きっとケイは「知ってるアピールの止まらない嫌な奴」と誤解されなくて済むのだろうと思いました。

しかし、ケイを見ていてこれを痛感するのはもう何度目かという感じですが・・・似たような人間の行動であっても、その裏にある動機、原因というのは本当に多様なのだという事実に、ただただ驚かされるのでした。